勝てないと分かっていながら、無謀な価格競争をしてしまっていませんか?
価格競争では、いずれ必ず行き詰ってしまいますので、してはいけません。
なぜ価格競争をしてはいけないのかといいますと、
必要なのは価格競争ではなく、価格戦略だからです。
こんな理由で価格を下げていませんか。
やってはいけない値下げ
- 他社の方が安いから対抗して価格を下げる
- 何の根拠もなく、今の価格では売れないと思っている
- 商品やサービスを知ってもらうために値下げをする
商品やサービスが売れないと、売れない理由を、価格だと思ってしまいがちです。
ですが、本当に売れていないのは価格のせいなのでしょうか?ということを解説していきます。
ちなみに低価格を企業の使命としてしている場合は別です。
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売れない理由は価格?
価格を下げる前に、本当に価格が原因なのか、しっかりと見極めた方がいいです。
- 実は価格ではなく、商品の良さが分かりずらいだけかもしれません。
- もしくは、お客さんがただ提供しているモノを、知らないのかもしれません。
- または、デザインなどの見た目が悪い場合もあります。
そこを見極めないと、無駄な価格訴求になってしまいます。
ですから何も考えずにただ価格だけをみて、価格のせいにして下げてしまうのは、やめた方がいいです。
価格を下げるのであれば、それらをきちんと分析した上で下げないと意味がありません。
そもそもなぜ、そこまで価格にこだわってしまうのでしょうか?
価格を安易に下げてしまうのは、考えるのが面倒で楽をしたいからではないでしょうか。
価格を下げるというのは、分かりやすいメリットです。
安いというメリットを打ち出すことで、他にもやらなければいけないことから逃げることができます。
価格は数字を変えるだけで済みますから楽ですよね。
手っ取り早くメリットを打ち出せる価格は、商品の良さを伝える努力などの面倒から解き放ってくれますので。
価格ではいずれ勝てなくなる
価格競争をしても、そのうち勝てなくなることは必須です。
一時的には価格で勝つことも可能ですが、ずっと勝ち続けることはできませんよね。
資本で対抗できなければ、知恵やアイデアや工夫で、安くすればいいと考えがちですが、それでも限界があります。
確かに価格には、大勢の人を引き付ける力があり魅力的ですが、考えるべき方向性を間違っているかもしれませんよ。
一度の値下げが命取りに
たとえ赤字だとしても、一度モノやサービスを使って貰えれば分かってもらえると考えているかもしれませんが、その価格で購入してしまったお客さんは、その価格でないと買わなくなってしまう可能性があります。
経験ありませんか?
この前は安かったのに、こんなに高くなっているって思ってしまったこと。
だから買うのをやめようとか、また安くなった時に買おうって経験。
きっとお客さんは。商品やサービスの良さではなく、安いから買っただけかもしれません。
それを利益の出る標準価格に戻してしまうと、そんなに高くなるのなら買わないとなってしまい、また売れなくなったことで、また価格を下げてしまうことになります。
安易に価格を下げることは、商品の価値を自ら下げてしまうだけになってしまいますし、価格しか見ないお客さんを集めることになりかねません。
価格を言い訳に使っている
価格は大きなインパクトがありますので、1番大事だと思い込みすぎていませんか。
安くないと売れない、安くすれさえすれば売れると。
よく会議とかで営業の人達が言ったりするのを聞きます。
他社は、こんな値段で売っていると。
だから売れないのですと、価格を言い訳に使っていたりします。
本当にそうでしょうか?
売る努力をしていないだけかもしれませんよ。
価格のせいにしておけば楽なんですよね。
商品が悪いとか思っていても、価格のせいにしたりする場合もあります。
変にいろいろ言うと、仕事が増える可能性があったりしますからね。
営業は、商品が売れようが売れまいが、ちゃんと給料がもらえればそれでいいのですから、無駄に意見をいったりしないこともあります。
価格以外で、何か企画を考えたりするのも面倒ですからね。
それに、安く提供することこそが、売上をあげる唯一の方法だと、勘違いしている場合もあります。
安くすることで喜んで貰えると思っている
値段には喜ぶかもしれませんが、その物の価値ではどうでしょうか。
安くするということは、何かしら妥協することになりますよね。
例えば、食べ物でしたら、素材の味ではなく、香料でごまかすとか、添加物のたっぷり入ったものになるかもしれません。
価格は安くても、買ったモノやサービスでは、顧客は喜んでいないかもしれないのです。
その場合、いくら安くても次から買わなくなってしまいますし、安くしたがために会社のイメージが悪くなる場合もあります。
安くすれば喜んでもらえるとは限らないのです。
価格は高い方がいい場合もあります
安ければ、いいなんてことはありません。
安物より高価なものの方が、自分のステータスをあげるための武器になったりしますよね。
例えばブランド物とか。
安いと逆に買わない場合もあると思います。
ブランドが安く提供されていると、本物なのかと疑ってしまう場合もありますよね。
それに、プレゼントや、贈り物も安くない方が喜ばれることもあります。
ちょっとこの値段のモノでは失礼かもなんて、考えてしまったりしませんでしょうか。
価格が高い方が、喜んで貰えることもあるということです。
価格競争から抜け出すためには
顧客が欲しいと思える、安さ以外の特徴を作り出さないといけません。
そしてまずは、その価値を伝える努力をしなければ、お客さんは価格しか判断材料がなくなってしまいます。
価格以外の、あなただけの特徴を作り出すのは、非常に面倒な作業です。
時間もお金もかかりますし、何よりそれを考えたりすることが、大変なことだと分かっているから、普通のものをつくりだして安易に値引きし価格勝負をしてしまうのです。
いいモノやサービスを作ろうとすると、価格はそれなりのものになると思います。
その良さを伝えることを適当にして、価格で訴求すると失敗します。
価値を伝えることが何よりも大事です。
お客さんは伝えないと良さが分かりません。
「見れば分かる」、「使えば分かる」だろうって感じになってしまっていませんか?
お客さんは価値の分かりやすいものを購入します。
分かりにくいものを、わざわざ自分で考えて解釈して買いたくはないのです。
判断基準をつくる
同じような感じの商品があったとして、ちょっとよく分からない説明の安い商品と、しっかりと自分の求める特徴が分かりやすく書かれた通常価格の商品と、どちらを選ぶでしょうか。
もちろん、あなたの求める特徴が書かれている商品ですよね。
いくら安くても、自分の求めているモノじゃなかったら買わないと思いませんか。
お客さんが、簡単に判断できる基準をつくってあげることが大事です。
安さを戦略として、ゴールをつくる
必要なのは価格競争ではなく、価格戦略です。
思いつきで価格を下げるのではなく、安さを戦術として利用する場合には使えます。
安さは分かりやすいメリットなので、人を一気に集めるための便利な武器になります。
ですが価格を下げるだけで終わってしまっては、ただの価格競争になるだけですので、価格で集めたお客さんに、もっといい物を提供するのです。
フロントエンド、バックエンドのやり方ですね。
本当に買ってもらいたい商品があり、そこに誘導したい場合には、最初のとっかかりとして安さはいい手段になるのです。
価格訴求で集客して、本当に買ってもらいたい商品を売り込むのです。
もちろん低価格で提供する入口商品と、最終的に買ってもらいたい出口商品は関連したものでないと意味がありません。
価格競争をした企業の末路
価格だけに頼るのはやめた方がいいです。
価格競争をした企業の末路は、歴史が物語っています。
そんな例なら調べればいくらでも、出てきますよ。
価格で訴求する場合には、バックエンドがある場合にとどめましょう。
まとめ
商品やサービスが売れないと、売れない理由を、価格だと思いがちです。
ですがそう思う前に、これらをきちんとやっていますでしょうか。
- 商品やサービスの価値をきちんと分かりやすく伝える努力
- 広告でもなんでも知ってもらう努力
それでも売れないなら欲しいと思える商品ではないとか、デザインが悪い場合もあります。
それから最終的に価格の検討になります。
始めから価格競争をしていては、消耗戦になるだけです。
大事なのは価格競争ではなく、価格戦略です。
安さを売りにした入り口商品を作ったら、出口となるきちんと利益のとれる本当に買ってもらいたい、商品に誘導しましょう。