著者:菅原洋平 264ページ 文響社
「仕事の処理速度」を上げる“科学的な"方法
こんな風に思っていたら
毎日振り回されている感じがする
忙しいだけで何も進んでいない
やるべきことはわかっているけど手がつかない
本書は、「身の回りにあふれる情報の上手な使い方」、「情報との賢い付き合い方」がテーマになっているので、タイトルの「超すぐやる」との違和感があったりします。
すぐに物事にとりかかれるようにするというよりは、脳の機能面や現場経験をもとに、毎日振り回されているように感じる悩みを解決すべく、無理なく実行できる解決方法について解説されています。
現場経験とは、作業療法士というリハビリテーションの専門職をしている著者が、クリニックで、働く人たちの相談を受けながら、企業に出向き、脳や身体のしくみを使って働き方改革や健康経営を推進する事業をしている現場の経験です。
そして、何かに振り回されているといった悩みには、情報と脳の関係性において、ある共通した課題を抱えていることが分かったそうです。
ワーキングメモリの問題
情報の取捨選択のエラー、うっかりミス、優先順位のつけ間違い……実はこれらは、脳のある1つの機能によって起こっているものです。その正体は、ずばり「ワーキングメモリ」です。
ワーキングメモリ
必要な情報をいったん頭の中に置いておいて、使いやすいように加工し、その情報を使う場面になったら取り出せる記憶。
その「情報」が容量オーバーになり、「貯めきれない」「処理しきれない」ということが起きているので、日々、何をしているのかわからなくなるような悩みが起こってしまうといいます。
ワーキングメモリの重要性が、従来の記憶力(短期記憶や長期記憶)を上回るレベルにまで高まっていることが原因です。
それはなぜか?従来の記憶力は、スマホ等が補っているため。
ワーキングメモリをトレーニング
たくさんの情報を使いこなして、恩恵を得る能力が求められている社会では、脳の使い方を変えなければいけません。
「情報の扱い方とワーキングメモリをトレーニングすることで行動力や仕事の能率を上げられます」
トレーニングすることで、短期記憶による断片的な情報で、あたかも「それがすべてである」と勘違いしてムダな不安をかかえることを防ぎ、あなたの目的に向かって行動することを可能にします。
情報処理の能力を高めて、仕事や日常生活をよりよくしていく方法を著者は提示してくれています。
1章:効率のよいマルチタスクとは?
2章:時間管理スキルを上げる
3章:「見落とし」を徹底的に防ぐには?
4章:忙しい人のための効率のよい学習法
5章:継続力を高め、飽きっぽさを解消する
6章:「後悔しない、よい選択」を脳にさせる方法
本書では毎日普通に生活しているだけで、ワーキングメモリを鍛えられる方法を解説しています。
思いたった今から実践したいなら、「超すぐやる! 「仕事の処理速度」を上げる“科学的な”方法」
ワーキングメモリの3つの能力
- 情報をすぐに使える状態でストックしておく
- ストックした情報を加工してつなげる
- 必要な情報をつなぎ合わせて使う
貯める→つなぐ→使う
覚えた記憶を、どう加工し、何とつなげ、いつ使用するか。
来るべきチャンスに向けて脳内の記憶をどう操作して、どう情報を活用するか。
この3つの過程がうまくいくようにトレーニングできれば、情報をうまく扱うことができるようになりますので、社会で働くために必要な能力を高めることができるようになります。
ワーキングメモリのチェック
ワーキングメモリは情報を入れすぎたり、処理する暇を与えず働かせると、本来の能力を発揮できません。
あなたは大丈夫でしょうか。
ワーキングメモリのチェックをしてみましょう。
参考
通勤途中に、その日やることを決めていたのに、会社に到着して同僚と世間話をしてデスクに座ったら、別のことを始めていた。
前に読んだ本をまた買ってしまった。前に観た映画のDVDをまた借りてしまった。
相手の非を問い詰めるメールを書いた後で、自分に非があったことがわかった。
カフェに行って仕事をしようと思ったのに、周囲の会話が気になって手元の作業が全然進まない。
人事異動や住宅を建てるなど先が見えない状況になると「もしかしたら」という憶測が次々湧いてきて不安になる。
ワーキングメモリが落ちているときに起こりやすいものだそうです。
いかがだったでしょうか?
能力低下していませんか?
せっかくのあなたの能力が低下しているかもしれません。
ワーキングメモリを高めると、邪魔な刺激が多い環境でも、自分のやるべきことに、しっかり集中することができるようになります。
ただ忙しくしているだけで、結局あまり成果を出せないまま時間を過ごしていませんか?
当てはまったあなたは、本書「超すぐやる! 「仕事の処理速度」を上げる“科学的な”方法」を読んで、改善してみてはいかがでしょうか。
どうやって鍛える?
本書では、毎日の生活を「ほんの少し」変えるだけで、ワーキングメモリを鍛えられると解説しています。
特別なトレーニングも教材や道具もいりません。
あなたが、目的をもって前に進んでいく日常のいたるところに、トレーニングできる場面があります。
皿洗いや洗濯という些細な行動でも、少し変えるだけで、あなたのワーキングメモリは鍛えられます。
本書で解説している内容を少し抜粋
「やることがたくんありすぎて、何から手をつけたらいいのかわからない」といういわゆる「マルチタスク状態」への対策。
脳が勝手に、やらなくてもいいことに首を突っ込んで、あなたを苦しめているかもしれません。
その原因は、脳が勝手に「やるべきこと」を増やしてしまう引き金をひく、「マルチタスク」だったりします。
脳はマルチタスクができません。これは現在、様々な研究によって明らかになっているそうです。
そのマルチタスクのあなたの現在のレベルを測定して、レベル別のすぐやる力の取り戻し方の解説をしてくれています。
それだけに集中する家事を1つだけつくる
「アイロンの温度が上がるまでの間にこれができる」 「風呂のお湯を抜くまでにこれができる」 とつい隙間の時間で複数のことをやろうとしてしまいがちですですが、一つにしぼりましょう。
人気のないメニューを選ぶなど、日常を、ちょっとだけ変えることで、あなたのワーキングメモリを取り戻すことができるのです。
それくらいなら自分でもやれるかもと思えたら、超すぐやる! 「仕事の処理速度」を上げる“科学的な”方法おすすめです。
他にも
- 何かができない理由は忙しいからではない理由
- まとまった時間を確保する必要がないワケ
- 日常生活のルーティンが与える恩恵
- 未来の予定に対して個人的な目標を立てて、予定通りに実行される確率を高める方法。
- 先延ばしにしてしまうことを、あることに注目するだけで、脳はすぐにイメージすることができ、やるべきことを始めることができるようになる方法
- 自分の行動から満足を得るまでの時間が待てない原因、その解決法
- 時間が経つのも忘れてしまうほど熱中してしまうことで自分の能力が向上したり、生活が豊かになっていくと感じるフロー状態に入るための4つの条件
目的は手段に変えてみるとうまくいく
なかなか眠ることができずに、睡眠をうまく取れていない時、眠ることが目的になってしまいますよね。
当然でしょといわれそうですが、それを著者は、何のために眠るのかと考え方を変えるとうまくいきやすいと解説しています。
もっと勉強するために眠るとか、家事をするためによりよく眠るなど。
情報を正確につかみ、必要な情報同士をつなぎ合わせ、すぐに行動する。アウトプットする。不要な情報を捨て、また新しい情報をインプットする。
あなたの能力アップには欠かせない内容になっています↓
追記
どちらが効率よく学習できるか?
- すきま時間にコツコツ
- 時間を作ってまとめて
時間があるときに、できるところまで勉強している方が効率が良いみたいです。
社会人は勉強したと言う満足感より結果を出すことが大事です。
あなたも結果をだせる脳にしたいなら↓