著者:ドナルド・ミラー 247ページ ダイレクト出版
ストーリーブランド戦略
こんな風に思っていたら
- いい商品なのに、全く売れない
- 商品の売り方が分からない
- お客さんに、もっと会社を知って欲しい
そんな悩みを解決できて、ライバル会社ではなく、あなたの商品を買ってもらえるようにすることができるようになります。
それが本書で実践できるストーリーの力です。
物を売るのにストーリー?
マーケティングについて書かれた本には、よくストーリーの重要性が書かれていますが、はっきりいって、物を売るのにストーリー?って、ピンとこないですよね。
私も実際そうでした。
でも物語が商品を売る上で強力な力になります。
それは、なぜかと言いますと、商品の価値を効果的に見込み客に伝えることができるようになるからです。
- なぜ商品は素晴らしいのに売れないのか?
- なぜデザイン会社に作ってもらった、きれいなサイトが見向きもされないのか?
- なぜパンフレットが役にたたないのか?
それは、商品の価値が伝わっていないからです。
スティーブ・ジョブズも利用したストーリー
価値を顧客に考えさせることなく、伝えるのがストーリーの力です。
Appleのスティーブ・ジョブズもストーリーの力に気づき、世界中に大ヒットさせています。
あなたの商品が、よいだけではダメなんです。
その価値を知ってもらうための伝える能力が必要になります。
脚本家でなくても問題ない
でも商品にストーリーを作るなんて、脚本家じゃないんだから、無理だよって思いますよね。
そんな無理を、本書は可能にしてくれています。
ストーリーの作り方には7つの要素があるのですが、それをフレームワークにしてくれています。
それに当てはめていくと、ストーリーを作れるようになっているのです。
今までの、全く売れなかった伝え方、売り方を変えることができるようになります。
本書を使って、商品の情報を物語に組み込む方法が分かると、消費者を引きつけて事業を成長させるメッセージを作成し、それがブランドとなってブランド戦略まで立てられるようになります。
マーケティングで、ストーリーが重要視されているのもうなずけますよね。
顧客があなたの商品を、まだ買ってもいないうちから、お客さんの頭の中で使っているところを想像させたり、イメージさせたりできるようになります。
そうやってあなたの商品を売れるようにするのが、ストーリーブランド戦略です。
どんな内容か気になったら↓
企業が忘れがちなこと
ストーリーを作る上で、物語の主人公は、商品やサービスではなく、顧客です。
どれだけ会社のすばらしさや、商品やサービスのすばらしさを語っても、なかなか受け入れてもらえません。
それは、顧客を無視した言葉を使っているからです。
あなたが気になる人とデートをしていたとして、相手が自分のことばかり話していたらどうでしょう?
嫌になりませんか?
相手が興味のあるのは自分で、あなたのことを無視しつづけていたとしたら?
そのようなことを、気付かないうちにしているのです。
ポイント
消費者を主人公にした物語を語る企業は成長し、そうではない企業は忘れられる。
商品を売るのは言葉です。
自社の物語より、顧客の物語を重視しましょうってことです。
ほとんどの会社が膨大な資金をマーケティングで無駄にしているのは、商品が問題ではなく、もしかすると商品の伝え方が問題なのかもしれません。
ウェブサイトやパンフレットをつくるときに、何を重視しているでしょうか。
見た目がいいからといって商品が売れることはありません。
ですから、デザイン会社に大金を支払う前に、まずは情報をわかりやすく整理しないと時間と費用の無駄になることがあります。
立派な自社工場について長々と説明しても、消費者の関心を引くことはできないということです。
人間の脳は分かりやすさを好み、混乱を嫌う
私たちは単に、商品を市場に出す競争をしているのではない、自社の商品が消費者にとって必要である理由を伝える競争をしていると著者は言います。
その伝えるべき内容が分かりにくかったら、どうなるでしょう。
分かりにくいってだけで、最高の商品を扱っていても、競合他社の方がわかりやすく情報を伝えたとすれば、質の劣る商品に負けることがあるくらいです。
それだけ脳が理解するための努力をせずに済むようにしていないと、分かりやすい商品に流れていってしまいます。
確認してみて下さい。
- あなたが伝えるべき事はなんだろう?
- すぐ口にできるだろうか?
- 簡潔で、買い手の関心を引く、何度も繰り返せるメッセージだろうか?
- 従業員全員がそれを知っていて、効果的な伝え方をしているだろうか?
- 新入社員が、見込み客に対して会社の商品とそれを購入すべき理由を説明する方法を教えているだろうか?
ブランドを作るのも分かりやすさ
ブランド戦略の本質は、何度も繰り返せる、簡潔で、消費者の関心を引くメッセージを作り、商品やサービスを人々の意識に浸透させることです。
分かりやすくないということは、すぐに忘れ去られます。
企業が犯す2つの間違い
ポイント
- 商品やサービスが消費者の存続にどう有利に働くか、成功にどう役立つのかを語っていない。
- 商品やサービスを理解してもらうために、消費者にたくさんのカロリーを消費させる。
物語の基本原則は、人間の脳を活発に反応させるための情報を整理したもので、事業を存続させたいなら、この原則に沿って商品を紹介する必要があります。
物語は分かりやすくなければいけません。
そのために7つのポイントを押さえると、商品やサービスをどのように紹介したらよいのか、分からないと言った不安がなくなります。
物語に欠かせない7つの基本要素
何らかの目的をを持つ主人公が、それを達成する前に問題に出くわす。
主人公が絶望の淵に立たされたとき、導き手が現れて、計画を授け、行動を促す。
その行動により、主人公は失敗を回避して、成功に至る。
ほとんどの映画で使われている基本構造です。
物語が優れているかを確かめる3つの重要な質問
物語が優れているかを確かめる3つの重要な質問では、会社の発信する物語の雑音が分かるようになります。
雑音が多いと、顧客を混乱させ、無視されるようになります。
ポイント
- 主人公(顧客)は何を求めているのか?
- 主人公が望みを叶えるのを妨げているのは誰、または何か?
- 望みを叶えた、または叶わなかった場合、主人公はどうなるのか?
この3つの問いの答えが分からない場合、失敗することになります。
見込み客の関心を引きたいなら、用意しておくべき3つの問い
あなたのウェブサイトやマーケティング資料をみた見込み客が、5秒以内に次の問いに答えを出せるようになっていますか?
ポイント
- どんな商品やサービスを提供しているか?
- それによって買い手の生活はどう改善するか?
- それを購入するにはどうすればよいか?
ここまでの、内容が本書の基本の柱ですが、これはほんの一部だけ抜粋しています。
さわり部分だと思ってください。
※ここまでの内容だけでも役に立ちますが、まだお客さんの最大限の共感は得られないと思います。
商品やサービス紹介で悩まない「ひな形」
情報を絞り込んで効果的なマーケティングを行うために、本書では、ストーリーを構築できるようになる、ひな型が準備されています。
それを使うと、分かりやすいメッセージ作成をする際の労力を少なくし、時間を節約できるようになります。
しかも、楽しみながら記入できるひな型だと著者はいいます。ひな形は53ページ
これで、あなたが商品やサービスをどうやって紹介したらよいかで悩む必要はなくなり、お客さんを効果的に引き寄せる言葉を作成することができるようになります。
商品を売るのに、労力をかけたくない方は↓
追記
「すぐに使えるフレームワーク付き」と表紙の帯には書いてありますが、ちょっと待った!と言いたいです。
本書でも書かれていますが、確かにフレームワークに当てはめていくだけで、ストーリーをつくれるようにはなっているのですが、その構成する7つの要素一つ一つが奥深いのです。
ただ当てはめただけでは、退屈で共感のないものが出来上がってしまいます。
57ページまでは、フレームワークを使った物語を書く過程の概要を知っただけです。
フレームワークの構成には、学ぶべき絶対的なルールもあるので、159ページまでは読みながらフレームワークに当てはめていくことをオススメします。
ストーリーブランド戦略を学び、ストーリーをつくる労力を惜しまないあなたは、競合他社からお客さんを奪うことができるようになります。