著者:ボブ・バーグ 386ページ ダイレクト出版
紹介の連鎖が永遠に続く、マル秘・人脈活用術
こんな風に思っていたら
- 人脈が全くない
- 交流会で名刺交換しても、役に立たない
- 人脈作りで何を話していいか分からない
人脈とはいったいなんなのか、どうやってつくればいいのか。
ただ名刺交換して、ちょっと話しただけで、知り合いになったかのような気になったりもしますが、そこからビジネスにつながったことがどれだけあるでしょうか。
ただ知っている人ってだけの人が、どれだけ多い事か。
「知っている人、見たことがある人」で止まってしまうのを、ビジネスに結びつく人脈にすることが、本書の目的です。
初対面の人と話したり関係を築くのは難しいと思っているなら。
個人的に人脈という言葉に、アレルギーがあって、好きな言葉ではないので、読むかどうかで非情に悩みました。
コミュニケーション自体あまり好きではないので、私と同じような人は、人脈なんてクソくらえ!くらいに思っているかもしれません。
そんなものなくても何とかなると。
私の人脈嫌いは、交流会が大事とか人脈がどうのって言う人に限って、おれはこんなに人脈があるんだぜと、人脈自慢のギラギラした人が多かったので、嫌だったんです。
交流会でも、自分本位の人が多くて、自分にとって役に立たないと分かると、すぐに興味をなくす態度が、ありありと分かる人が多かったのも理由の一つです。
当時は、そこまでしないといけないのか、なんて気が滅入っていました。
ですが、本書を読むと、そういった人たちとやり方が全く違うんです。
むしろ好感をもてる感じになります。
今まで出会った人たちのやり方が、いかに間違いだらけだったのかのかがよく分かる本ですよ。
今までの人達は、人を嫌な感じにさせるやり方だったので、きっとビジネスに活かせる人脈を築けてないだろうなと思います。(みんながではありませんが)
ですから、この本読むと、コミュニケーションが苦手な人でも、交流会行ってもいいかなと思えるくらいにはなる内容になっています。
自分でも、びっくりですが、マル秘・人脈活用術はそんな人でもオススメです。
紹介の連鎖を築くワケ
現在の平均的な消費者は、以前よりも知識が豊富で用心深くなっています。
営業マンを、知り、気に入り、信用していなければ、なかなか購入してくれなくなっているんですね。
そのために、止まらない紹介の連鎖をベースにした、ビジネスを構築することを、本書ではオススメしています。
「紹介の連鎖」なんて聞きますと、そんなうまく行くわけがないと机上の空論に感じますが、読んでみると、できると思ってしまう自分がいます。
人脈づくりは、有用性のあるシステム
時の試練をくぐり抜け、有用性が証明されつくされた原則と考え方を土台にした、1つのシステムと言うだけはあります。
自分にはできないと言ってやらない選択もありますが、自分の業種やビジネスのスタイルに合わせて原則を応用することもできるので、細かな説明にはこだわらなくても大丈夫です。
これらの内容は根源的な原則に基づいているので、状況問わず通用します。
心構えと気合、自信、そして自由な発想を持ってこのシステムに従えば、あなたもすぐに、紹介の連鎖が止まないネットワークをはぐくめるようになる。
人はみなネットワークの中心にいる
人は誰かに寄り掛かっているだけでもなければ、完全に独り立ちしているわけでもなく、持ちつ持たれつの関係にある。
人の勢力圏はあなたを中心に、平均で250人の人がいると本書では言っています。
ですから間接的に62,500人が加わっていると言うことです。
その事実の活かし方を知ることで、あなたの下には無数の新しい仕事が舞い込んでくるようになるということです。
ネットワーキングの黄金律
紹介の連鎖システムの土台は、「ほかの条件が全て同じなら、人は知り、気に入り、知っている相手に仕事や紹介を回す」と言う不変の法則に基づいています。
ほかの条件とは、商品や価格、ノウハウなど、購入の判断材料のことです。
知り、気に入り、信用している関係を作った人の中に、あなたに成功してほしい、あなたの新しい仕事の開拓を手伝いたいと言う気持ちを呼び起こすことで、あなた専属の歩く広告塔にするのですが、それはそんな難しい目標ではないと著者は言います。
期待に応える実力があってこそ
どれだけよく知られ、好かれ、信用されていようと仕事や紹介を得るには、実力がなければいけません。
仕事を獲得できたとしても、ものを言うのは、やはりその中身だということです。
お客さんの期待に応える実力がなくては、いくら紹介されようと意味がありません。
人脈作りとは
ほとんどの人にとって、人脈作りとは単なるおしゃべりで、聞き手に向かって自分と仕事をするメリットを延々とわめきちらし、だれかれ構わず名刺を押し付ける行為だと思っている。
ですが名刺そのものが、あなたや誰かに成功をもたらすわけではないですよね。
人脈づくりとは、他者のニーズ、要求に配慮することで、
お互いに利益のある、ギブアンドテイクの、win winの関係を築きあげることだと本書では解説しています。
紹介ベースのビジネスを構築してきた人々の話を、ふんだんに紹介しながら、その原則とメソッドを解説しているので分かりやすいですよ。
ネットワーカー最大の武器
セールスでは、質問をする人間が会話をコントロールしています。
正しい質問を投げかけることこそが、相手をこちらの望み通りに動いてもらう方法なのです。
つまり、製品やサービスを買うという方向に導くんですね。
ポイント
言葉を発するのは、質問をするときだけ。
そのセールスでの質問の原則は、人脈作りでも通用します。
初対面の相手に自分を印象づけたいなら、とにかく知り、気に入り、信用していると言う感覚を相手の中に呼び覚ます事が大事になります。
そのために正しい質問をすることがポイントになるということです。
気持ちよく、しゃべらせてあげる
会話の99.9%は、相手や相手の仕事に関する質問を投げかけ、答えを聞くことに費やす。
相手にとって、世界で何よりどうでもいいことがあるとしたら、それはあなたの仕事だ。
相手の望みは、自分と自分の仕事の話をする事ですから、その望みを叶えてあげるのです。
人間にとって1番気になる相手と言うのは、他の誰よりも自分を気にしてくれる人物で間違いありません。
気持ちよくしゃべらせてくれる人は、相手にとってその他大勢の1人ではなくなるのです。
利点表明
相手から仕事を尋ねられたときにはさりげなく、自分と仕事をする利点を簡潔に伝える必要があります。このことを本書では利点表明と言っています。
例えば、あなたがファイナンシャル・アドバイザーだったとしても、「ファイナンシャル・アドバイザーです」と答えるのではなく、「資産運用の手助けをしています」といった、自分と仕事をする利点を伝えるのです。
初対面の相手でも話が止まらなくなる質問の仕方
はい、いいえでは答えようがない質問、もっと長い答えが必要な、次の会話につながるような質問をすることで、相手の話をうながすことができます。
あなたは、質問を使って相手を気分良くさせることが大事なのです。
そのための、本書に書かれている10の質問集が役に立ちます。
質問集
- どうやって今の仕事に就いたのですか?
- その仕事の1番のやりがいは何ですか?
など10の効果的な質問を覚えておくことで、質問する内容に困らなくなると思います。36ページ~
人生を変えるパワーを持つ要の質問
そして、この質問をするだけで、あなたはその他大勢から1歩抜け出せる、人生を変えるパワーを持つ要の質問があります。
要の質問
〇〇さんの仕事では、どんな人が見込み客として脈ありですか?紹介できる人が私の前に現れるかもしれないので、特徴を教えてください。
この質問は、私はあなたにとって特別な人間ですよと言うことを暗に知らせる一言になります。
- 私はあなたの利益を考えています。
- あなたの成功のお手伝いをしたいと思っています。
と言うことが相手に伝わりますよね。
あなたが重要人物になる
ほとんどの人が、最初に自分のことや製品やサービスを売ろうとするものですが、あなたは違います。
あなたは、自分にはあなたの手助けができますと言うことを表明するのです。
この人と付き合えば、仕事が増えるかもしれないという印象と情報が相手にインプットされます。
人脈づくりを正しく行えば、相手はあなたがネットワークを作ったことにさえ気づきません。
仕事と関係ない人だった場合は?
コミュニケーションが苦手な人は、ここで気付くかもしれません。
- 相手の仕事とこちらの仕事のつながりが薄そうなときはどうするのか?
- あるいは相手の勢力圏に自分に見合った見込み客がいなかった時はどうするのか?
その辺も考えられていて、対策できますので、安心して学べますよ。
まとめ
人脈づくりとは、お互いに利益のある、ギブアンドテイクの、win winの関係を築きあげることです。
一方的なコミュニケーションで、ただ名刺を配りまくることではなく、相手の手助けができるということを伝え重要人物になることで、あなたのビジネスに活かすことができるようにすることが人脈活用術です。
もしあなたが、今までのやり方で、まったくビジネスに活かせる人脈を築き上げられていないなら、オススメです。
追記
私が人脈に興味がないにも関わらず、それでもしぶしぶ読んだのは、自分の興味のないことにチャレンジしてみただけなのです。
ですが知らない、もしくは興味のない分野にこそ、学びがとても多いと気付かされます。
コミュニケーションに関して、いい感情がない人にオススメできる変わった本になっています。