著者:マイケル・マスターソン 278ページ ダイレクト出版
人を思いのままに操る影響力と説得力
こんな風に思っていたら
- リーダーシップについて学びたい
- チームをうまく動かしたい
- どうやって組織を動かしていけばいいのか分からない
- 社長としての能力をあげたい
企業のリーダーとしての立場の人や、これからチームを率いていく人は、通常よりも責任が重くのしかかります。
自分の仕事に加えて、従業員や仲間を目的の場所まで連れて行く責任が出てきますよね。
どうすればうまくみんなをまとめ上げ、引っ張っていけるのか、どうすれば思ったように仕事を達成させられるのかで悩むと思います。
そんな立場のあなたに、優れたリーダーシップはどういうもので、どうしたら実現できるのかを教えてくれるのが本書のテーマになっています。
著者の実践してきた中での気付き
本書で、リーダーシップについて示している著者マイケル・マスターソンは、40年間、自らもビジネスで成功を重ねながら、人々のサポートをしてきたなかでリーダーについて分かったことを分析して書いています。
ですから実践的なリーダーシップについて書いているので、あなたの悩みを的確に解決してくれる内容になっていると思います。
リーダーについて勘違いしているかも?
リーダーシップに関する考え方の中にはいい加減なものもあり、間違っているかもしれないものもあるといって、一般的に言われているリーダーの要素は間違っているといいます。
こんなこと聞いたことありませんか?
- ビジネスリーダーの第1の任務は従業員を幸福にすることである。
- 有能なリーダーは、忍耐強く、優しく、思いやりがあり、公平である。
- 優れたリーダーであるためには、包容力があり、協調性が高くなくてはならない。
- チーム作りは優れたリーダーシップに欠かせない要素だ。
- 多様性を受け入れることと公正さは優秀なリーダーのしるしである。
理想はそうなのかもしれませんが、実際に、理想を追い求めることと、ビジネスで成功することとは違うと思います。
善良さや優しさや公正さはリーダーにとって賞賛すべき特質ではないと言いたいわけでは無いが、実際のリーダーはこれらの道徳的に正しい特質の多くが明らかに欠けていると言うことがある。
リーダーとは
まずリーダーとして成功したいならば、人間の集団を使わなければならないのは当然のことですよね。
ですから、リーダーの最も重要な仕事は人々にするべきことをさせることになります。
その基本的な2つの方法
- 人を威圧して従わせる
- 人にするべきことをさせるために動機付けをする
本書では②について書いています。
人々に仕事をさせることがリーダーの第1の役割だとしたら、重要なのは完成した仕事のビジョンを描き、推進する事です。
説得する技術を身に付け魅力的なビジョンに目標を定めることができれば、優れたリーダーになるために実際に必要なもの全てを手中にできる。
リーダーシップに関する間違った教えが広まっている
神話1.柔らかなリーダーシップのスキルは効果がある。
柔らかなとは、従業員の言葉に耳を傾け、従業員と気持ちを共有し、「悪いものも含め、あらゆるアイデアを受け入れる姿勢を持つ」ことをいっていますが、ほとんどの従業員はただリーダーシップを求めているだけです。
そして従業員にとってのリーダーシップとは、他の誰かが問題を解決して、自分たちは何をすればいいかを教えてくれることなのです。
従業員は意思決定に参加し、問題解決に寄与したいとは望んでいないと言うことです。
自分から何かをすると言うよりは、誰かに何をするべきかを教えてほしいと思っている人が多いと言うことです。
どちらへ行くか、何を作るか、どうやって問題を解決するかの決断を、リーダーが担わなけばいけないのです。
しかし、もっと重要なのは、批判や逆境に直面しても、自分のアイデアを人々に受け入れてもらい、それを実現するために働いてもらう方法を知っていることだ。
どうすればそれができるのか?仕事を、やる価値があると感じさせることだ。
神話2.従業員を意思決定に参加させるのは、ビジョンの共有より重要である
言葉的にはもっともらしく聞こえるのですが、著者はあまりにも馬鹿げているといいます。
リーダーは優秀な人材に囲まれていれば、責任の大きな部分を委任することも可能ですが、目標を定めビジョンを作る事は委任できません。
ですから、リーダーは人にものを尋ねてもいいし、アドバイスを求めてもいいけど、どこに進むのか、何を達成するかを決断する時になったら、自分自身で行わなければいけません。
そして自分のビジョンを人にも共有させなければいけないのです。
従業員に意思決定させるのであれば、その従業員がリーダーになるべきです。
優れたリーダーは、魅力的なビジョンを人に伝える
魅力的なビジョンを生み出し、人に伝える優れた能力が、優れたリーダーシップには欠かせない。
他の知的能力がかなり劣っていても、大胆さと、ビジョンを伝える能力に優れていればリーダーとして成功できると著者はいいます。
優れたリーダーになるためには、どうしたら状況を改善できるかを時間をかけて考え、自分のアイデアの良さを人々に信じてもらえるようにしなければならないということです。
リーダーについての希望的願望
他にもそういった神話が全部で10書かれています。
リーダーシップに関しては、いろいろな神話が溢れています。
どれも全て、もっともらしく聞こえるのですが、実際の現実では使えないものばかりだったりします。
そうできたらどんなに素晴らしいだろうなぁって言う、空想上の議論になっていることがほとんどです。
そんな今まで知りえたリーダーシップについて、間違った教えを気づかせてくれる、的確で実践的な道案内となるのが本書「社員を動かす社長のカリスマ仕事術」です。
神話1 “柔らかな”リーダーシップのスキルは効果がある…18
神話2 従業員を意思決定に参加させるのは、ビジョンの共有より重要である…19
神話3 従業員の幸福が肝心である…21
神話4 良いビジネス=チームワークである…24
神話5 人々により良く働いてもらうために“感情的知性”を考慮する…25
神話6 合意形成が重要である…27
神話7 従業員は権限を求めている…28
神話8 細かいことまで管理するのは非生産的でやる気をなくさせる…29
神話9 良いリーダーは決して従業員を見捨てない…29
神話10 働き者の従業員には、特別手当、より良いオフィス、その他、有形の報酬を与えなければならない…30
優れたリーダーにはどうしたらなれるのか?
そのために今から次の4つのことを始めよう。
- なぜそのビジネスをやっているのかを考える(その製品やサービスがどういう意義があるのか?どのように顧客の役にたつのか?)
- その言葉をより野心的にする
- そのアイデアをキーパーソンに伝える
- そのアイディアに時間とお金をかける
リーダーシップとは人々を説得して自分に従わせることをいいます。
そのためには、自分が何を成し遂げたいのか、どうやってそこにたどり着くのかを知っていなければいけませんよね。
また従業員が、今どの段階にいるのか常に把握しておかなければ、何をして欲しいのかも言えません。
そして、リーダーがしなければならないことは決断をすることです。
その決断の意思決定で、難しい判断を容易にする7ステップのプランは、参考になると思います。
難しい意思決定をするときには、知性と経験と判断力が必要ですが、問題なのは間違った選択をすることの恐れや、自分の判断が大きな失敗に終わって新たな成功の機会を失う不安です。
こうした恐怖などを乗り越えるための意思決定プロセスの実践的なテクニックも紹介されています。
社長として、リーダーとしてのあなたの能力をあげたいなら↓
追記
マイケル・マスターソンが、知っている最も優秀で、最も成功したビジネスリーダーの1人は、良いリーダーシップと言われている要素を、ほとんど破っているそうです。
ですが、魅力的なビジョンと強い説得力をもっているといっています。
ではどうやって、それらを身につければいいのか?
その答えは、社員を動かす社長のカリスマ仕事術に書かれてあります。