著者:古川 武士 166ページ ディスカヴァー・トゥエンティワン
どんなにがんばっても結果がでないなら、力を抜こう
こんな風に思っていたら
- 完璧にやろうとして空回りしている
- もっとうまく立ち回るにはどうすればいいのだろう
- いつも心に余裕がない
あなたは何事にも、完璧にこなしたい人ではありませんか?
適当にやることを自分に許さず、全てにおいて全力。
そのため、あなたのやること全てが重要に見えているのかもしれません。
そのせいで、心に余裕がなかったり、完璧にやるがゆえに時間に終われていたりで、ストレスを抱えやすい。
ある意味、真面目過ぎるのではないかと思います。
すべて重要は、すべて中途半端につながる
すべてが重要なことなんて、ほとんどありません。
本書の2割に集中するというのは、重要な部分には、しっかりと力を入れて行動し、他の8割は適度に力を抜いてやるってことです。
力を抜ける部分があるからこそ、重要なことに集中できるようになるのです。
すべてに一生懸命やっているつもりでも、集中力には限界がありますので、全体の活動でみるとどれも中途半端になっているかもしれませんよ。
絶妙な力の抜きどころ
本書を読むと、絶妙な力の抜きどころが分かるようになります。
全ての仕事に全力で向き合うのではなく、2割の仕事に集中することで成果が出るようになるのです。
ようはその成果の出る部分を全力でやり、それ以外は上手に力を抜くことが大事ということを教えてくれる内容です。
80対20の法則みたいな感じですね。
何でもかんでも最前を尽くすことがいいとは限らず、たいして成果のないことには、それなりにこなせばいいと言うことです。
それを著者は、最善主義思考といっています。
最善主義とは、「力の入れどころと抜きどころ(集中する2割)を見極めて、より無駄をなくし、限られた時間で最大の結果を出す」ことです。
最善主義思考なのです!
完璧主義思考 → 最善主義思考へ
手を抜くとか、大して意味のない作業をさぼっるとか言わずに、最善主義思考といっているのがいいですよね。
誰かに適当にするな!とか、何を手を抜いているんだ!と言われたら、言ってやりましょう。
それは違います、私は最善主義思考なのです!と。
本書は、完璧主義思考と最善主義思考の考え方を比較して、違いが分かりやすいように解説しています。
あなたは職人?それとも一般ビジネスパーソン?
ひとつの仕事に集中する職人のような完璧主義者は、卓越した成果を出すこともありますが、一般のビジネスパーソンは、ひとつの仕事に没頭するというより、雑多な仕事がたくさんある場合がほとんどです。
ですから限られた時間で成果を出すには、完璧主義では向きません。
完璧主義は、性格の問題だから、無理なのでは?
完璧主義は、性格ではなく思考習慣であると著者は断言しています。
ですから、習慣であれば作ることが可能ですよね。
今までの考え方を、ちょっと変えてあげるのです。
ポイント
すべてきちんとやらなきゃ → これは力を入れるべき重要なことだろうか?
著者は習慣の専門家として行動習慣、身体習慣、思考習慣を変える手伝いをしてきました。
それらをもとにした、完璧主義によるストレスを減らす思考習慣の体系を学べます。
完璧主義が分かる診断テスト付き
私の場合、ちょっとした理想主義でした。
仕事に対して完成基準を設けているので、完成に多くの時間がかかりがち。
妥協してハードルを下げることに抵抗があると言うことでした。
診断項目では、ほとんど当てはまらなかったので、ほっとした半面、適当なだけ…?と考えがよぎりそうになりましたが、断じてそのようなことはありません!
目次で分かる
目次自体が、完璧主義思考はこう、最善主義思考はこうという形になっているので、非常に分かりやすくてすぐ読めてしまいます。
目次だけでも内容が分かりますので、気になる部分だけでも押さえておくといいと思います。
目次がこんな感じ
【01】
完璧主義の人はがんばること自体に美徳を感じている。
上手に力を抜く人は結果が出ることに美徳を感じている。
1~33まであり、こんな感じで違いが一目で分かります。
がんばること自体に美徳を感じてしまう理由
どれだけ長く働いているか、どれだけ頑張っているかを美徳にするのって日本人らしいですよね。
私も始めの頃は、長く働いていることを誇りに思っていました。
こんなに頑張って働いている俺すげーみたいな感じです。
がんばることが自己満になっている
でも、よく考えてみると、働いている時間と成果とがつり合っているかといいますと、そんなことはないんですよね。
逆にそんなに働いて、その程度の成果なの?って、途中から自分で自分を卑下してました。
成果を出せない分、働いている時間で帳尻を合わせようとしていたのだと思います。
ただたくさん働いているってだけで、成果がなくても自分を満足させるために。
見た目の問題
世の中には、効率よく働いていると、余裕があるせいか真剣にやっていないとか、サボっているとか思われたりするんですよね。
仕事をする姿勢といいますか、見た感じがあまりよく思われない節があります。
少ない労力で結果を出すということは、それだけ工夫や試行錯誤があるはずにもかかわらず。
素晴らしいことのはずなのに、人の目には、そう映らないがために、そういったことを避けている風潮もあると思います。
著者は、頑張り過ぎるのは非効率になりがちだといっています。
完璧主義は、すべてを頑張って成果が出ると、気持ちがいいっていう自己満もあるのかもですね。
完璧主義の人は、長時間働く割に生産性が低い
目次02
完璧主義の人は、無制限に頑張る
上手に力を抜く人は制限を設けて頑張る。
働く時間が長時間になるほど、ある意味、時間あたりに発揮する集中力が低いとはよく言ったものです。
人の集中力は限られていますし、時間がまだあると思ってしまうと、重要なことでも無駄に手を抜いて過ごしてしまったりするんですよね。
結局、集中したのは、時間ギリギリになってから、なんてことが起きたりします。
しかも、それで仕事を終わらせたとしても満足感が高いどころか、もっと早く終わらせることができたはずとか、後悔が勝ったりするんですよね。
時間あたりの集中力をいかに高めるかがポイントだと本書に書かれています。
完璧主義の人は、長時間働く割に生産性が低い。
これは個人的に常に必要だと思った箇所
目次05
完璧主義の人は木を見て仕事をしている。
上手に力を抜く人は森を見て仕事をしている。
それは今やるべき事なのか、全体を俯瞰して見るようにすれば、小さなことに囚われて時間を無駄にすることもないってことです。
目の前だけ見ていると、全体としてどう動かないといけないのか見失ったり、目先しか見えていないので、ちょっとしたことがストレスになったりするんですよね。
俯瞰してみるだけで、大したことないなとか分かったりするのに。
習慣になるまで携帯しておくといい
本書は、各目次で気になった部分だけを読んでも、理解しやすくなっていると思いますし、なるほど気づきが多く含まれています。
一度読んでしまえば、目次だけで内容を思い出しやすいので、また読まないと内容を思い出せないといった感じにはなっていないです。
仕事に集中していると、どうしても足元しか見えなくなってしまうときがあるので、一度立ち止まってこの本を開くと俯瞰した視点に戻せると思いますよ。
読むのに時間もかかりませんし、そばに置いておきたい本ですね。
追記
人の行動が気になって集中できなかったり、イライラしたりしたら、他人や外部環境は自分でコントロールできない、どうしようもないことなので、自分ができることをまずやる。
そしてその成果が出てくるまでに、時間がかかることも理解しておく。