『最後まで行く』は面白い作品なのですが、途中、謎展開に困惑してしまう場面があります。
それが『久我山、ペチャンコ事件』。
きっと疑問をもった人も、たくさんいることでしょう。
そんな、久我山(駿河太郎)、ペチャンコ事件の真相を考察してみましたので、気になる方は読み進めてみて下さい。
恐怖!久我山、ペチャンコ事件の謎
工藤(岡田准一)と、久我山(駿河太郎)が一緒に、廃工場に行くシーンがあります。
その工場で捕まえた、岸谷真由子(清水くるみ)から情報を得ることで、矢崎(綾野剛)の狙いが分かった2人は、車の中に戻り相談していると、矢崎から工藤に電話がきて、車から出ろと言われるんですよね。
そして、工藤が車を出て、車から離れたところで、車をつぶせるほどの質量をともなった、大きなドラム缶みたいなものが落ちてきて、久我山もろとも車がつぶされます。
矢崎からの電話で、車に乗っていた久我山がペチャンコなので、矢崎がやったっぽいのですが、どうにもそんなことできるの!?って感じがしてしまうのです。
たまたま偶然が多すぎる
なぜなら、たまたま尾田(磯村勇斗)の焼却を阻止した工藤が、たまたまその時に現れた、刑事の久我山に問い詰められ、真相を話します。
そして、その話の中で、矢崎が尾田の死体を欲しがっていることに疑問を持った久我山が、死体を調べたことで、工藤が所持していた尾田の携帯のロックを、尾田の指紋を使って解除し、たまたま通話履歴にあった岸谷真由子(清水くるみ)に電話をかけるのです。
そして、岸谷真由子の一方的な会話で、工場に行くことになり、久我山ペチャンコが起きます。
複数のたまたまが重なった結果の廃工場への移動となるんですよね。
さらに詳しく
たまたま、尾田の焼却を防いだ時に、工藤が久我山に問い詰められる。
たまたま、久我山が尾田の死体を調べる。
たまたま、尾田の携帯のロックを解き、通話履歴から岸谷に電話する。
たまたま、岸谷との会話で、工場の話が出る。
たまたま、工藤と久我山が工場に行く。
たまたま、尾田の死体を車の中から、工場内へ移動させる。
たまたま、工場の敷地内の車を止めたところに、車をつぶせるほどの物が降ってくる。
そんなことありえるのか!?
って、きっと思うかと思います。
もっといえば、静かな廃工場でクレーンを使ってしまうと、クレーンのエンジン音は、かなり大きいので、異変に気づくはずです。
クレーンに吊り下げている物を、的の車に合わせる間に、バレると思うんですよね。
それが、たとえ分からなかったとしても、工藤たちが、どこに車を止めるのかが分かるはずもありません。
車を潰すには、クレーンを使える場所に止めるかどうかにもかかっているのです。
ですから、たまたま吊り下げて準備していたところに、たまたま工藤たちが、ちょうどいいい場所に車を止めたってことになってしまいます。
そもそも、工藤たちが工場に行くかどうかも分からないのに、クレーンを準備しているはずもないですし、焼却時に久我山が工藤に問い詰めなければ、工場に行くこともありません。
偶然が偶然を呼んだにしても、凄すぎる偶然です。
それに、本当に矢崎がやったのか?って疑問が浮かびます。
久我山をやったのは誰!?
とはいっても、会話の内容的には、矢崎がやったんでしょうけども、謎過ぎます。
工場で岸谷真由子を問い詰め、真相が分かった工藤と久我山は、なぜか一旦車の中に戻り相談をしています。
なぜ車の中で…って感じですが、どちらにしろ遅かれ早かれ、車に乗ることは確実なので、クレーンを準備しておけば、つぶすことも可能でしょう。(尾田の死体が乗っていない前提で)
そして、矢崎が電話で、工藤を車から出るように、誘導して落ちてきたので、矢崎がやったんだと思います。
ですが、娘を助けたいなら、ここに来いと住所を送っておきながら、矢崎がいちいち2人の跡をつけて、クレーンを準備したのか?って謎な展開になっているんです。
車が潰されたときに、工藤は矢崎に、そこまでするか…的なことを言うので、矢崎がやっていないなら、「?」って感じになるのですが、会話の内容からも、矢崎がやってはいます。
ですから、ここに来いと言っておきながら、その場所で待っているのではなく、矢崎は工藤の跡をつけていたってことになります。
そして、工場に着いたときに、久我山を始末するため、クレーンを準備することになります。(上から落とす物も含めて)
クレーンを使って久我山をつぶすには、まず2人が車に戻って相談をしなければいけません。
なぜ相談かというと、移動のために2人が乗り込んだとしたら、尾田の死体も一緒に車の中にあることになります。
そうなると、工藤だけを外に誘導して、車をつぶすなんてことはできません。(尾田の死体が欲しいのですから)
ですから、クレーンで久我山を始末するには、ちょっとどころか、無理がありすぎるのです。
そもそも矢崎がそこにいたのなら、クレーンなんて面倒くさい物を、使う必要なんてないんですよね。
そういった流れから、久我山をやったのが、矢崎ではないと思った方が、まだしっくりきてしまうのです。
勝手な予想
矢崎は、指定の場所で工藤を待っています。
そして、逃げた尾田の捜索を仙葉(柄本明)に頼んだ後も、矢崎と仙葉親分が組んでいたのなら話は早いのですが、きっと矢崎は親分とは組んでないと思います。
金のことを仙葉に言うはずがありませんので。
ということは、うまいこと事が運ぶように、工藤の動向を仙葉の組員が監視していて、密かに矢崎をアシストしていたなら、まだしっくりときます。
ここに来いと指定しておきながら、別の場所でクレーンで吊るして待機しておくのって、謎すぎますので。
それに、1人では、きっとできないと思うんですよね。
邪魔が入らないように、仙葉組がアシストしていた可能性の方がしっくりとくるのですが、その場合、矢崎の電話での誘導が、今度は謎になってきてしまうのです。
仙葉の組員がアシストしていた場合、矢崎が電話で、工藤を車の外へ誘導しないと、クレーンは使えません。
ですから、仙葉の親分が、工藤と久我山が一緒にいるところを見たとかなんとか言って、矢崎を誘導し、その矢崎が工藤を誘導したのかもって感じです。
そう考えるとしっくりきます。
岸谷真由子は、仙葉とつながっていますので、岸谷は仙葉たちと一緒にいた可能性が大きいです。
岸谷と一緒に工場に来ていて、工場でのやりとりを見ていた組員、もしくは仙葉が矢崎に教える。
矢崎に電話で、工藤に指示をしてくれれば、久我山を排除するよ的なことを伝える。
そして、一連の久我山ペチャンコ事件が完成。
クレーンや、そういった吊るす物を準備するのも、仙葉の組員がやれば、まだ納得できます。
廃工場で、車をつぶす前提で準備しておかないと無理な話になるので、矢崎には無理っぽいのですが、仙葉たちとなると、そういった重機とか自前で持ってそうですし、納得もできます。
それに、重機の運転にも慣れてないと、無理でしょうから。
そう考えると、久我山をやったのは、仙葉関係の人の方がしっくりとくる感じに思えますが、その場合でも矛盾が多いので、真相は闇ですね。
ポイント
矢崎も仙葉側も、その場にいたのなら、金庫を開ける鍵が2つともそろってるんですから、奪えばいいだけの話です。
矢崎は、その場にいたのなら、指定場所関係なく、娘を人質にして工藤と久我山をやってしまえばいいのですが、久我山をつぶすだけです。
あくまでも指定場所で、尾田を受け取りたいというこだわりがあったのでしょう。
仙葉に関しても同じで、2つの鍵が、目の前でそろっているんですから、組の人数的にもその場で制圧して奪えるはずです。
ですから、どちらにしろ、久我山ペチャンコ事件は、謎展開なので、わけが分かりません。
無駄に潰された久我山は、大きな謎を残して逝きました。
って結論ですね。
小説を読めば分かるのか、韓国映画の方をみると分かるのか、それともフランスのリメイクを見ると、その謎が分かるのかは、分かりません。
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