著者:藤井孝一 204ページ クロスメディア・パブリッシング
サラリーマンに向けて提唱する起業法
こんな風に思っていたら
- リスクなく起業したい
- 起業したいけど、どうすればいいのか分からない
- 起業するネタが見つからない
- 定年後が不安
そんな悩みをかかえるサラリーマンの、会社にいながらにして、リスクなく起業できるように解説してくれているのが本書、「大人の週末起業」になっています。
週末起業とは?
今の働いている会社に勤めながら、週末にビジネスを立ち上げ、軌道にのったら独立する起業スタイルのことです。
定年は、誰もが直面する問題
現代では定年退職してからでも、長寿になったことで人生がダラダラ続くようになりました。
人生が100年になったら、定年退職してから、30年〜40年にもなる可能性があります。
年金の支給開始の時期が先送りされ始めたことで、自力で稼ぐ力を身につけていないがために、60歳になってもなかなか退職できない、なんてことにもなっていますよね。
長寿に少子化で年金には頼れない、そんな時代だからこそ。
財源が破綻すれば、支給開始を遅らせるか、支給額を減らすようなことになってくるのではということです。
雇用延長、副業解禁といったことになってきていることを考えると、足りない分は自分で稼いでもらうという時代です。
勉強して、社会に出て、リタイヤしたら引退して余生をのんびり過ごすというシナリオは通用しなくなる。
ですから、会社にいるうちに自分のビジネスを立ち上げ、稼ぐ力を身につけておくことを著者は推奨しています。
それが本書のテーマ、週末起業です。
会社にいながら、ビジネスを立ち上げ軌道にのせる方法を学べるようにしてくれています。
大人の戦い方
40代から50代を想定して書かれていますが、遅かれ早かれみんな通る道ですので、早く準備しておくに越したことはありません。
著者は歳をかさねると、若い頃のように無茶できなくなるといいます。
集中力、理解力、スピードが落ちてくるので、根性や力業で乗り切るなんてことも難しくなると。
ですから早めがいいのですが、40代から50代の大人は、大人の戦い方をしなければいけないといっています。
自分の強みと弱みを分析して得意な分野で戦う。
いくら起業の本をたくさん読んでも、実際にやってみて、試行錯誤しながら行動してみないと、うまくいくか分かりません。
かといって大きな事業にすることを目指すというわけではなく、小さくてもいいから自分で始めてみることを推奨しています。
今の会社に頼らない、自分で稼ぐ力を身につけられればいいのですから、大きく稼がなくても、大勢を相手にする必要もないので、そういう前提なら気楽に始められそうですよね。
ポイント
個人事業主、フリーランスみたいな形で、小さかろうが稼げるようにとにかく始める。
会社にいるうちに。
なぜ週末起業をすすめているのか
起業をすればうまくいくかといいますと、そんなことはありません。
それは誰もが知る現実ですよね。
うまくいくかどうか分からないから、会社に籍を置きつつ始めるのです。
会社の収入があるからこそ、安心して思い切り大胆なことができるのだと思います。
この気持ちの余裕は大きなアドバンテージです。
そうすることで、リスクを減らしながら稼ぐ力を手に入れることができます。
そして、お金のかからないビジネスをすることが重要です。
週末起業では、お金ではなく、頭を使います。
それが「大人の」と頭につく週末起業の、大人のやり方です。
うまくいくか分からない起業で、借り入れをしなければいけないようなビジネスは避けるべきです。
週末起業のメリット
生活を危険にさらさないことが、週末起業のメリットです。
会社を辞めてから起業しようとすると、相当な覚悟が必要だと思いませんか。
しかも、家族に起業の話をするとなると、どうなるかもわかりません。
そうなる前に、じっくり取り組んでおき、軌道に乗るまでの収入のない時期をなくせるということです。
早く始めることが、リスクを減らす
週末起業の準備は早ければ早いほどいいということです。
定年前に、稼ぐ力が身についているということは、長い人生に対する不安を、大きく減らせることになります。
人生の後半を楽しく過ごしたいなら、早めに自分のために動きましょう。
それに起業をすれば、自分ですべてをやることになります。
会社のように、みんなで作業を分担してやるわけではありません。
ですから、出来るだけ早く始めて経験しておくといいですよね。
あとは慣れの問題だと思いますので。
成果が出るまでに時間がかかる場合もあるので、それをふまえても、早めに始めることがリスクを減らします。
そうは言っても、起業するとなると悩みが出てきます。
起業ネタが見つからないとか。
起業ネタで挫折
起業しようと考えても、どんなことをすればいいのか、起業ネタが思い浮かばずに挫折することがあると思います。
実際、何をしていいのか分からないなんてことが、一番の起業できない原因かもしれません。
ですが、本書ではその起業ネタの見つけ方も解説してくれています。
著者のオススメは、知識や経験を活かしたコンサルタントやビジネスコーチだそうです。
あなたの感じている問題が起業のネタに!?
あなたの本業で、今の会社では解決していない、もしくは手が届いていない部分で、顧客が不満に思っていることを、解決してあげられるようにするのもいいと思います。
企業には無理でも、あなた個人では、顧客の細かな問題解決ができるかもしれません。
今までの経験で、すでに身についている、すでに持っているもので始めてみるのです。
やりたい仕事のヒントは当然ですが自分の中にあります。
その自分の培ってきた時間の中で見つけていくのですが、そのときに間違ったことをすると時間の無駄になりかねません。
それを回避するための考え方も、本書大人の週末起業が教えてくれます。
定年してからではリスクが大きい
起業ネタを見つけることも、定年してからでは時間がかかってしまいます。
それに、うまくいくかどうかわからない、やり方がわからないなんてことになると、余計に億劫になってしまいますよね。
これらの悩みを解消するのも、会社を辞める前から、余裕をもって始めるということだと著者はいいます。
週末起業7つのステップ
本書では、週末起業7つのステップで、そのステップにそって起業できるように解説しています。
まずは、起業ネタを見つけるステップからスタートです。
ネタが見つからずに脱落している人は多いと思いますので、ここでしっかり見つけてしまえば、あとは試行錯誤していくだけですよね。
身近なガラクタを組み合わせて、新しい価値を生み出す考え方など、顧客獲得方法まできっちり学ぶことができるようになっています。
ダメなら何度でもやり直せる。
著者も、何度も看板の書き換えをしていることが本書で語られています。
それが普通なのですと。
始めから絶対に、成功しないといけないというわけでもないですから、うまくいくものを見つければいいのです。
生活にかかるお金は、本業にて確保できているのですから。
そのためのリスクの低いやり方を、著者が解説してくれています。